大人になっても辛い場面緘黙症 チェック診断と治療方法について
どもっ飯朔です。
場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)を知っていますか。
あまり聞きなれない言葉ですが、一種のコミュニケーション障害で、社会生活を送る上で大きな問題となります。
今回はこの「場面緘黙症」について調べてみました。
場面緘黙症の症状(大人)
場面緘黙症とは家庭ではちゃんと話せるのに、話を求められる特定の場面で話せなくなる症状のことを言います。
緘黙症、選択性緘黙症とも呼ばれますが、「選択」と言う言葉を使うと本人の場面選択の意図があると誤解される恐れがあるため使われていません。
言語の発達の遅れや発語器官の異常があるわけではなく、精神的なものが原因だと考えられています。
決して話したくないのではなく、いくら頑張っても言葉が出てこないのが場面緘黙症です。
大人の場合は、子供の頃に発症しそのまま改善されなかった場合が殆どですが、この症状の社会認知度が低いことが原因で円滑な社会生活を送ることが困難になることも考えられます。
場面緘黙症をチェック
場面緘黙症の診断基準はには2つの方法があります。
1つは世界保健機構WHOの「ICD-10」とアメリカ精神医学会が定めた「DSM-5」です。
それぞれ見方が違うのですが、大人を判断するためには「DSM-5」が適切なのでそちらを紹介します。
DSM-5 による診断基準
1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。
2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。
3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。
4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。
5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。
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もしかしたら皆さん周りに、「人見知りがひどい」「無口」「自分の意見を言おうとしない」などの兆候がある方は場面緘黙症を疑ってもいいかもしれません。
この症状は本人が「話したくない」のではなく、「話したくても話せない」症状なので、周りに伝わりにくく理解を得られないことが多くあります。
そのことで余計に話せなくなると言う悪循環に陥ります。
普通私たちは「早く何処かに相談に行けばいいのに」と思いますが、それができないのがこの症状の苦しい点でもあります。
場面緘黙症の治療法・克服法
場面緘黙症の治療法は、まず専門機関への相談・受診が優先されます。
大人の場合でも直接面談と言うのはハードルが高い面があります。
今はインターネットの時代ですのでWEB検索を行いまずはメールでの問い合わせが一
番ではないでしょうか。そうした対応ができる機関をご紹介しておきます。
都道府県ごとに設置されていて専門の相談員がいます。メールでの相談受付が可能かどうかは自治体ごとに異なる場合があるので前もって調べておく必要があります。
2、心の耳
厚生労働省が行っている働く人向けのサイトで、メールでの受け付けが可能です。
その他にも自治体による援助制度があるので、良く調べて確認することが必要です。
3、医療施設
相談施設からの紹介もあるでしょうし、もしご自分で行こうと思われるのなら「心療内科」か「精神科」を受診しましょう。
カウンセリングも受けられますし、他の不安障害を併発している可能性もあるので、その発見や必要に応じて薬物治療も行えます。
事実場面緘黙症の場合、他の不安障害、中でも「社交不安症」が最も多く、「分離不安症」や「限局性恐怖症」などがあります。
社交不安症とは、自分が愚かに見えるのではとか、その場にそぐわないのではなど他人に他人に辱められることに(実際はそうではない)強い不安を感じる為に、社交状況を避けたり、その状況を耐えることが苦痛となり正常な生活を送ることに支障がでる精神障害。
そうした社交状況においてほぼ毎回、動悸、下痢、発汗、ときにパニック発作などを起こします。
こうした障害を併発している場合は薬物療法が有効となります。
場面緘黙症は5歳前後に発症することが多いとされています。
子供にも発症する可能性
今は全部の子供たちが幼稚園や保育園に通う時代ですので、何か異常があれば先生や保育士さんから連絡があるはずです。
ただ内気でおとなしい子供は、それが本来の性格だと思われてしまい発見が遅れることもあります。
早めに気づいてあげて、早めに対処することで改善の可能性も大きくなりますし、大人になるまで持ち越すとなお困難が増えます。
その為にも日頃から会話を多くし、コミュニケーションを良く取ることが重要となります。
子供の心身の健康に気を配るのは親の役目です。
最近よく見かけるのが、子供さんを保育所に迎えに行った帰り、お母さんがスマホに夢中で子供さんが所在なげに後をついて歩くと言った光景です。
こうした時間も大切な時間だと思い一生懸命子供と話をしましょう。