世界最強の猛毒カビ「アフラトキシン」 加熱しても消滅しないしぶとさ
どもっ飯朔です。
みなさんが思うカビといえば、日常生活を阻害する生き物というイメージが強いですよね。
カビ毒は身近に潜むもので私たちの生活にも脅威になるもの、そんなカビ毒について今回は記事を書いていきたいと思います。
カビ毒がどのようなものなのか、どんな種類があるのか、驚異的なカビ毒「アフラトキシン」について書いていきます。
カビを作る毒
カビ毒はその名の通りカビから生成される毒素で、人間や家畜の健康に悪影響を与えます。カビを作る毒の正体とはマイコトキシンのこと。
カビが産出するマイトコキシンは、第二次代謝産物(美容・健康に悪影響及ぼす代謝物)の中でも、人や動物に対して有害な化学物質の総称なのです。
このマイトコキシンが蓄積した作物を人が摂取することをカビ毒中毒症(
真菌中毒症・マイコトキシコーシス)にといい、戦後の日本でも赤カビの発生した小麦を使ったうどん・すいとんを食べて急性胃腸炎を起こした例もあります。
最近の日本ではカビ中毒症の報告はありません。なぜなら、作物に食品添加物である防カビ剤が含まれてるのでカビが生えにくいからです。
しかし、国によってはどうしても傷んだモノを食べなければいけない食料事情がある。
戦争により自国から逃亡する難民問題・干ばつ地帯によりあまり作物が育たないなど悲惨な環境で産まれた場合、生きる為に傷んだ作物を食べるしかない選択に迫られているからだ。
マイトコキシンの症状
マイトコキシンことカビ毒によってどのような症状が起こるのでしょうか。
通常のカビの生えた食べ物を摂取した場合「食虫毒」になりますが、カビ毒の場合はもっと深刻になります。
食中毒(腹痛・下痢・嘔吐・血便)に加え、肝障害・腎障害・消化器系障害・女性ホルモン・癌の発症(アフラトキシン類などの猛毒)など
カビ毒は十分対策が可能なもので、農産中のカビ毒については生産段階や貯蓄段階で汚染防止をしていれば発生することはありません。
コーデックス委員会というものがあり、そこがカビ毒を発生させないための管理基準を出していますが、日本は高温多湿な環境・カビが育ちやすいというデメリット・最近国内で新たな基準を決め、その普及に力を入れています。
カビと言ってもたくさんの種類があり、有害なものもあれば、無害で私たちの生活に役立っているものもあります。
みそやしょうゆなどの発酵食品はカビがないと作れませんし、医療品などにもカビを有効活用したものがあります。
しかし、カビ毒はこれらのカビと違い私たちの健康を脅かすため、しっかりと対策を行って、発生させないようにすることが大事です。
カビ毒の種類
現在世界中で発見されているだけで、マイトコキシンは300種類以上あると言われています。
特に問題になっているのがこの6種類
・アフラトキシン類
・オクラトキシンA
・トリコテセン類
・パツリン
・ゼアラレノン
・フモニシン類
アフラトキシン類はナッツや乾燥したもので、果実や牛乳に汚染するカビの種類です。
牛乳や果実は家庭でも腐らせてしまう事が多い食品ではないでしょうか。そんな時に発生しているカビがアフラトキシン類のカビになります。
オクラトキシンAというカビは、穀類、豆類、果実、コーヒー、カカオに汚染するカビ。コーヒーや豆類など私たちの家庭によくあるものを汚染しているのがこのオクラトキシンAです。
このほかに、トリコテセン類は穀類に、パツリンはリンゴ加工品、ゼアラレノンは穀類、フモニシン類はとうもろこし、ステリグマトシスチンは穀類、シトリニンは穀類、ルテオスカイリンは穀類にそれぞれ汚染してしまいます。
カビ毒はたくさん種類があるため、汚染する場所やいつ汚染するかも様々。
穀物だったら、開花から生育中にカビに汚染されるものもあれば、収穫後から貯蔵中にカビに汚染されるものもあります。
カビの対策はどうしても農家ごとに行ってもらう必要があるため、基準に従って管理していくことが大切ですね。
カビ毒は目に見えるものなのか?
肉眼で確認できるものも一部ありますが、ほとんどが肉眼で確認できないものになります。
カビ毒は一度付着してしまうと完全に取り除くのが困難。
カビ毒に汚染した食品を人間が食べても被害が出ますし、カビ毒に汚染された穀物を家畜の肥料として利用した場合にも、家畜に悪影響なのはもちろん、その家畜を食べた人間にも悪影響を及ぼすということがわかっています。
カビ毒を一回でも付着させずに、管理することが重要です。
脅威なカビ毒「アフラトキシン」について
さきほど軽く紹介しましたが、カビ毒の種類の中でも特に危険なのが「アフラトキシン」。
2004年にアフリカのケニアで振るい、多くの人を死に至らしめた脅威的なカビ毒であり、カビが生えたトウモロコシを食べて125名が肝障害により死亡しました。
ケニアの国では、食料難に高温多湿の環境が偶然合わさった状況下で発生したものでしょう。
汚染されやすい食べ物は、ピーナッツ・落花生・アーモンド・ヘーゼルナッツ・ピスタチオなどのナッツ類の他、穀物類、乾燥果実等を汚染します。
また、汚染された食べ物を食べると肝障害を起こしたり、発がん性物質もあるので肝臓がんの発症リスクが高くなる。
怖いのが少量摂取しただけでもこれらの病気を発症してしまうため、まさに猛毒だと言えます。
一度食品に付着してしまうと完全に取り除くのは不可能だと言われており、アフラトキシンは熱に強く、熱処理しても効果はあまりありません。
蒸し暑い環境で作られた物に付着しやすいため、冷蔵庫などの日が当たらない冷たい場所で保管することが必要です。
日本では出荷された作物に防カビ剤が含まれているので、マイコトキシンなどのカビ毒になる確率は低いでしょう
しかし、防カビ剤に含まれる添加物により人体に何らかの影響が及ぼす可能性もあります。
そこまで言うと何も食べれなくなるので、最低限の保存料は仕方がないでしょう。
中国産のピーナッツは防カビ剤を塗りだくっているようですから避けたいところ。
(参考・食品衛生の窓、農林水産省、東京都福祉保健局)
さいご
今回はカビ毒について解説してきました。カビと言っても一概に有害だとは言えませんが、カビ毒は健康に悪影響を及ぼすものです。
カビ毒を作らないためにも、しっかりと管理することが大切ですね。
これから迎える梅雨の時期や夏はカビが発生しやすい環境ですし、カビを作らない対策をしっかりとしましょう。