高齢者が恐怖する変形性膝関節症をリハビリ(筋トレ,水泳など)で治療できる!
どもっ飯朔です。
中高年になるとほとんどの方は膝に痛みを抱えますよね。
生活習慣病も危険ですが、体の一部機能が失うと歩くことすら困難となります。
そこで今回は膝関節の症状である変形性膝関節症について特集していきたいと思います。
変形性膝関節症とは
通常の膝関節は、大腿骨と脛骨の関節面に軟骨というクッションで覆われている為、骨同士がぶつかることがありません。また軟骨だけでなく、内側にある滑膜から分泌する関節液によって膝をスムーズに曲げたり伸ばしたりできるのです。
しかし、軟骨が磨り減ると膝の折り曲げる動きが悪くなり、放っておくと日常生活に大きな障害となります。この症状を「変形性膝関節症」といいます。
変形性膝関節症の患者数は2400万人。
50歳を超えると2人に1人が発症する病気です。
変形性膝関節症の症状
初期
軽度の軟骨消耗なので自覚しない程度
中期
ある程度消耗すると歩行・立ち上がりの負担がかかる他、軟骨・半月板の変性により関節炎が起こる。また関節に「みず」が溜まることで関節液に含まれるヒアルロン酸が減少しザラザラになってしまう。
進行期
さらに軟骨の摩耗が進行し、最終的に大腿骨と脛骨の骨同士が直接ぶつかり骨そのものが変形。ひざを動かしたり歩いたりする度に激しい痛みが起こります。曲げ伸ばしがかなり制限されるので日常おいてほぼ動けない状態となる。
しかも軟骨が無くなると二度と再生できないので何とか予防したいものですね。
変形性膝関節症になる原因
変形性膝関節症の主な原因は3つ
加齢・O脚・肥満
加齢・性別
年齢が増すにつれて、筋力が弱くなり関節に負担がかかる他、関節を使い続けて軟骨が擦り減っていきます。
医学雑誌・南江堂のデータによると、60代~80代にかけての女性の発生頻度は40~85%ほど
また年齢に構わず、スポーツ選手やパソコン・デスクワークで仕事する方など関節を使い続ける場合、若い年齢でも発症します。
肥満
肥満状態だと膝関節にかかる負担が大きくなる為、変形性膝関節症を引き起こす可能性が高くなる。
O脚(X脚)
股関節からくるぶしまで全て隙間があるO脚(X脚)状態だと、膝の重心が内側にかかかります。この状態が続くと、膝の内側だけに負荷がかかり内側の軟骨がすり減ってしまうこととなる。
まずは診断から
関節の状態を確認する為に、膝内側の痛みや腫れ・関節の動き・O脚変形、これらを問診・診察・触診・レントゲン・血液検査(リウマチの可能性も考慮して)で診断します。
変形性膝関節症の対処法
変形性膝関節症の治療は薬物治療とリハビリがあります。
薬物治療で症状を和らげながら、同時にリハビリによって関節の周りの筋肉を鍛えて修復していきます。
危険因子を排除
治療というより変形性膝関節症の予防です。
1つは巨体だと膝に負荷が掛かるので自身の体重を落とすこと。2つ目は手術によるO脚の矯正、膝の内側にかかる負荷を解消。3つ目は筋力アップ、膝の筋肉を鍛えることで事前に障害を防ぐことができる。
リハビリ治療
変形性膝関節症が初期~中期の場合、痛みを和らげるステロイドや関節の機能が悪くならないように関節液の主成分であるヒアルロン酸を注射した後、簡単な運動をして関節の周りの筋肉を鍛えることで負担を軽くすることができます。
おススメは、ウォーキング・水中ウォーキング・自転車こぎ
中でも衝撃力が弱い自転車こぎは、リハビリを始めたばかりの患者にピッタリ。フィットネスクラブにある固定式自転車がオススメです。
激しい運動なんてもってのほか。かえって症状を悪化してしまうので、医師やトレーナーの適切な指導を受けて適度な運動を続けた方がいいでしょう。
筋トレ方法
先ほど説明した膝の筋力アップトレーニングを紹介!これをやることで変形性膝関節症を予防・改善できますのでおススメします。
・足上げ運動
大腿四頭筋(太もも前の筋肉)を鍛えることが目的
①仰向けになり、片脚の膝を立てる
②反対側の脚を真っ直ぐ伸ばし、両膝が同じ位置まで上げる。
➂そのまま5秒間静止し、ゆっくりと戻す。これを左右20回繰り返す。
・横上げ運動
こちらも大腿四頭筋を鍛えることが目的
①まず横向きに寝る
②床側の脚(下)を曲げ、もう片脚(上)をまっすぐ伸ばした状態にする。
➂上の伸びた脚を20cmほどの位置まで上げる。
④そのまま5秒間静止、ゆっくりと戻す。これを左右20回繰り返す。
・ボールはさみ運動
内転筋(太ももの内側筋肉)を鍛えることで膝の負担を減らします。
①床に膝を下ろし、座位姿勢になります。
② その後、両膝の間にボールを挟みます。
➂挟んだボールを、5秒間両膝を強く締める。 これを左右20回繰り返す。
手術での治療
薬物・リハビリで治療しても治らない場合は手術も検討します。
人工関節置換術
人工関節置換術とは、変形性膝関節症・関節リウマチなどにより変形した膝関節を削り、金属やセラミック素材の人工関節に置き換える手術です。
また、人工関節には耐用年数があり15年~20年ほどといわれてます。
その為、一般的に60歳以上の方が対象として手術されてきましたが、時代の進化と共に素材・加工技術も進み選択肢が広がり、今では質の高い生活を送る為50歳代でも(他に治療法がない場合)人工関節を置き換えることができます
ただし、人工関節の素材が金属なので感染症を起こしやすい傾向があるので、感染した場合は必ず医者による治療が必要です。
単顆型人工膝関節置換術
もう一つの手術が、膝関節の損傷してる部分だけを人工関節に置き換える単顆(たんか)型人工膝関節置換術です。
骨の擦り減りは主に「内側」に起こります。
人工関節置換術の場合、関節全体の骨・筋肉・靭帯を切除しなければいけませんが、単顆の場合は内側だけ骨を切除するだけで最小限で済みます。
膝への負担が非常に少なく、手術後の痛みに対しても優位です。
しかし、耐用年数は膝関節の全置換術より短いので若い人にはおススメできません。
さいご
変形性膝関節症は高齢者だけでなく、アスリートやデスクワークをする若い人も発症する可能性が高い。
もし関節に痛みがあれば、必ず病院へ足を運んで頂き診断してください。
今から改善しろというわけではありませんが、気に留めていただければと思います。
引用:アステラス製薬サイト・ヘルスケア・医学雑誌・南江堂