なぜワインには酸化防止剤が入っているのか?頭痛との関連は?
どもっ飯朔です。
みなさんはワインは好きですか?
ポリフェノール・ミネラル・ビタミンが含まれており、体内の抗酸化作用・血圧降下・殺菌作用・抗ガン作用等、多くの効果が証明されてます。美味しい料理・スイーツにワインは欠かせません。
実はワインの裏側に張ってあるラベルには、ほぼすべてに酸化防止剤(亜硫酸塩)含有などの表記があります。この亜硫酸という言葉自体何となく体に良くないような印象を受けます。
さらに酸化防止剤入りのワインは、飲んだ次の朝頭痛になるというような話を聞くこともあります。ワインに関するこれらの話は本当なのでしょうか。
今回はワインの酸化防止について特集していきたいと思います。
酸化防止剤の真実
世の中で造られるワインのほとんどは、酸化防止剤が入っています。酸化防止剤としての役割を持つ亜硫酸は、ワインを発酵する過程において微量ながら生成されるもの。
酸化防止剤はワインにとってとても大きな役割を果たすので、どのようなワインでも亜硫酸が全く入ってないということはありません。ワインを飲むのであれば、亜硫酸を全く摂取しないということはほぼ不可能に近いのです。
また、ヨーロッパなどの本場で飲むワインには酸化防止剤が入っていないので、日本で飲むワインより美味しい、という話もよく聞きますが、これはいつもと違う場所で飲むことによる新鮮な感覚からくるものなのかもしれません。
では、なぜワインには酸化防止剤が添加されているのでしょうか。それは、ワインを酸化から守ってくれるという効果が期待できるからです。誰でも経験があると思いますが、桃を切って時間が経つと色が茶色くなりますし、バナナもむいた後は時間の経過とともに茶色くなります。
これは酸化が原因で起こることなのですが、当然ワインも酸化防止剤を使用しないと、茶褐色のような色をしたお酒になっていきますし、あまり良いとは言えないような香りになります。
酸化防止剤のその他の働きとしては、有害菌の繁殖を抑える、というものがあります。酸化防止剤が添加されていないワインは、雑菌が繁殖する恐れがあり、濁ったような色合いで、鼻を刺すような臭いになる可能性が高くなるからです。
酸化防止剤を添加していないという生産者も少数いるようですが、そのような生産者の方々は徹底した衛生管理や温度管理など様々な作業をしなければなりません。また流通業者や購入した消費者側も、ある一定の温度で完全な温度管理下での保存を行わなければいけなくなるのです。
酸化防止剤のその他の役割
日本の夏はとても蒸し暑くなるのが一つの特徴です。湿度が特に高い時期は、健康体を維持することは人によってはとても難しいことだと思います。
そのような蒸し暑い状態では、ワインを買ったお店から自宅まで歩く間、ワインがずっと高温状態となり品質が変わってしまう可能性があります。このことから、酸化防止剤が無添加のワインはとてもリスクが高いと言わざるを得ません。
スーパーなどに並んでいる比較的に低価格のワインは、酸化防止剤を使用しない代わりに、通常のワインでは考えられないような加熱殺菌や、細菌を取り除くため力の強いフィルターにかけたりと、むしろ酸化防止剤を使う以上にケミカルな製法によって生産されているからです。
このような製法になると、ワイン最大の魅力であるはずのブドウ由来の果実の旨味が失われてしまう可能性が高くなります。ワインが本当の姿から離れてしまった物になるようでは本末転倒です。
そして、酸化防止剤としての役割がある亜硫酸はワインだけに使用されているわけではありません。厚生労働省も、亜硫酸については漂白剤・保存料・酸化防止剤としての使用を認めています。
ワインなど果実酒は亜硫酸0.35g/kg未満の使用しか認められていませんが、実はドライフルーツには2.0g/kg未満の使用が認められています。ドライフルーツには、さまざまな色のものがあります。これがまさに亜硫酸の効果と言え、亜硫酸を添加しているドライフルーツは長い期間鮮やかな色合いを保つことができているのです。
ワインを飲むことで起こる頭痛は酸化防止剤が原因か?
ワインを飲んだ後、酸化防止剤が原因で頭痛になった、という話をたまに聞きます。
しかし、ドライフルーツを食べることで頭痛になったという話はあまり聞いたことがありません。つまり、酸化防止剤がワインよりも多く入っているドライフルーツを日常的に食べて、特に身体の不調が起きないのであれば、頭痛の直接の原因は酸化防止剤ではないはずです。
ワインはアルコール飲料です。アルコール飲料は飲んでいる途中ついつい適量を越えてしまうということがありますが、それが頭痛の原因だという方が自然なように感じます。
硫黄を燃やしたものを酸化防止剤として使用していた時代が、数千年もの長い年月に渡っていると考えると、もし人体に良くない影響があるのであれば何か他の成分が使用されていてもおかしくないでしょう。
次の日の仕事や勉強に影響が出ないよう、ワインを飲むときは適量を心がけることが大事だと言えそうです。